2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J11033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森岡 拓郎 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 自動車 / 都市構造 / メッシュデータ / 中心市街地と郊外 / 都市圏の規模 |
Research Abstract |
昨年度はメッシュデータを用いて自動車保有と都市構造の関係性を分析した。この分析は自分の研究課題である中心市街地活性化政策の実証分析を行う上で必要不可欠であった。その理由は2つある。1)そもそも中心市街地の活性化が叫ばれるようになった端緒がモータリゼーションの進展と郊外化であり、自動車の保有傾向を知らなければ実態が掴めないため、2)中心市街地活性化は自動車を持っている人と持っていない人の間で利益相反をもたらす政策であるので、自動車保有の傾向を知らなければ損益がだれにどれだけ発生するか分からないため、である。 従って「どのようなところに住むどのような人が自動車を保有しているのか?」を分析した。より具体的に述べると以下の3つの問いに定量的に答えている。すなわち1)大きな都市圏(例えば東京都市圏)に住む人と小さな都市圏(例えば水戸都市圏)に住む人で自動車保有動向に差はあるか?2)同じ都市圏の中ででも郊外に住む人と中心市街地に住む人では保有動向に差はあるか?3)年齢によって自動車保有に差はあるか?という問いである。 これらの問に答えるために18歳以上の関東に住む人が自動車を保有するかどうかをロジットモデルで回帰した。都市圏の規模を表す変数として1)自分の住んでいるところから半径7km以内の人口密度(多いほど大都市圏)と、2)自分の住んでいるところから半径7km以内にある1kmメッシュの中で最も人口の大きいメッシュの人口(多いほど大都市圏)、を用いた。また同じ都市圏の中で中心市街地か郊外かを表す変数として自分の住んでいるメッシュの人口(多いほど中心市街地)を用いた。推定結果は予想通り住んでいる都市圏が小さいほど、また郊外であるほど自動車保有傾向が高くなることを示している。また興味深いことに年齢、家族形態などの説明変数は、有意には効かない結果となった。
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