• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2008 Fiscal Year Annual Research Report

製品開発プロセスから見たイノベーション戦略と模倣戦略

Research Project

Project/Area Number 08J11056
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

糸久 正人  The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特別研究員(DC2)

Keywords製品開発マネジメント / リバース・エンジニアリング / 製品アーキテクチャ / イノベーション / 韓国企業
Research Abstract

今年度の研究成果としては、インタビュー調査、ディスカッションなどを通じて、1.技術的には後追いであるサムスン電子における「リバース・エンジニアリング型開発プロセス」の概念の精緻化、2.製品アーキテクチヤの視点から技術的発展パターンを明らかにした。まず1に関して、サムスン電子は日本企業が提示したひとつのイノベーティブな新製品(設計解)から逆演算を行い、構造設計→機構設計→機能設計→機構設計→構造設計というプロセスをたどり、グローバルな各地域に合わせた幾つもの別解をつくり出す、という一連の流れを概念化した。そして、それらの別解は、情報収集力を駆使して、各地域ごとに異なる要求品質・価格に適正化されるのである。一方、日本企業はあくまでも「フォワード・エンジニアリング型開発プロセス(機能設計→機構設計→構造設計)」を指向し、日本市場の要求品質に合わせて開発した製品をグローバル展開するために、過剰品質、過剰性能に陥るばかりでなく、必要な機能さえも見落とす傾向にある。このような違いが、日本企業と韓国企業のパフォーマンスの差に結びついているのである。
2に関して、アーキテクチャの視点から見たサムスン電子の技術的発展パターンは、まずは汎用的な部品の組み合わせで、汎用的な顧客を対象にして市場に参入し、次に汎用的な部品をうまく組み合わせながら、顧客ごとにカスタマイズするという「DELL型の戦略」が観察された。一方、SDIは、まずは部品をすり合わせて、特定の顧客を対象に市場に参入し、次に部品をすり合わせて、汎用的な顧客に販売するという「インテル型の戦略」が観察された。
上記2つの研究成果は、安易なイノベーション推進論に警鐘を鳴らす。すなわち、グローバル競争においては、革新的な新製品を開発することよりも、それをもとにいかに派生製品を展開するか、あるいはアーキテクチャ的に優位な位置取りにシフトするかが重要となる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2009 2008

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] 韓国企業のアーキテクチャ的発展パターン2009

    • Author(s)
      糸久正人
    • Journal Title

      新宅純二郎、天野倫文編『ものづくりの国際経営戦略』有斐閣

      Pages: 232-259

  • [Journal Article] One to One Demand Forcasting Model and Its Application for Inventory Management Considering with Customer Heterogeneity and Commonality2009

    • Author(s)
      Katsmata, S, 共著
    • Journal Title

      European Operations Management Association 16th International Annual EurOMA Conference (Proceedings Paper) (掲載決定)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 品質工学を活用したフロントローディング戦略2008

    • Author(s)
      糸久正人
    • Journal Title

      赤門マネジメントレビュー 7(4)

      Pages: 209-220

  • [Journal Article] タグチメソッド(品質工学)とDFSS2008

    • Author(s)
      田口伸, 共著
    • Journal Title

      東京大学ものづくり経営研究センター ディスカッションペーパー MMRC-212

      Pages: 209-220

  • [Presentation] One to One×Time Trend モデルによる需要予測の要因分析と予測2009

    • Author(s)
      勝又壮太郎(共同発表)
    • Organizer
      経営科学系研究部会連合協議会 平成20年度データ解析コンペティション
    • Place of Presentation
      中央大学
    • Year and Date
      2009-03-07
  • [Presentation] 製品開発プロセスから見た後発戦略の優位性2008

    • Author(s)
      糸久正人
    • Organizer
      日本経営学会
    • Place of Presentation
      一橋大学
    • Year and Date
      2008-09-04

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi