2008 Fiscal Year Annual Research Report
再構成in vitro翻訳系を利用したCCTの新生アクチン折れたたみ機構解明
Project/Area Number |
08J11078
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鮫島 知哉 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シャペロニン / フォールデイング / in vitro翻訳 / アクチン |
Research Abstract |
真核生物のシャペロニンであるCCTは、最近になるまで発現系が構築されていなかったことや反応機構の複雑さから、大腸菌のシャペロニンGroELに比べて解析が遅れている。そのため、CCTの機能に関しては未だ不明な点が多い。CCTは翻訳途中のタンパク質とも相互作用することが知られており、生体内におけるCCTの機能を調べるには、リボソームから翻訳されている途中の「新生」タンパク質に対する折れたたみ活性を調べることが重要である。そこで本研究では翻訳系のみを再構成した系にCCTを添加し、その折れたたみ活性を調べることを目的とした。数あるタンパク質の中でもアクチンは折れたたみにCCTが必須であることが知られているため、CCTの基質タンパク質としてはアクチンを選択した。本年度は系の構築に必要な、シャペロニンCCTの精製および各種プラスミドの調製を行った。また、対照実験用のαアクチンの精製も行った。得られたアクチンを利用して、最終的に必要な全反射蛍光顕微鏡を利用したアクチンの単一フィラメントのリアルタイム観察系の立ち上げも行った。一方、CCTはアクチンの折れたたみを助ける以外にも、アクチンの重合制御因子としても機能することが報告されている。申請者は折れたたみ過程だけではなく、折れたたみ後のアクチンに対するCCTの影響も加えて調べるため、CCTがアクチン重合に及ぼす影響についても調べることにした。その結果、CCTの存在によりアクチンの重合速度に若干の低下が見られることを確認した。今後は、アクチンの折れたたみから繊維形成まで、アクチンが細胞内で機能するまでのすべての過程においてCCTが与える影響について調べる予定である。
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