2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J11093
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
齊藤 紘子 Osaka City University, 大学院・文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 村落社会 / 地域史 / 地方支配 / 相給村落 / 山間村落 / 地域社会構造 / 組合村 / 伯太藩 |
Research Abstract |
(1)昨年度、4章構成で執筆した修士論文「泉州泉郡平野部における相給村落の構造と変容-池上村を素材に-」について、章ごとの構成を見直し、投稿論文にする準備を行った。 (2)従来行ってきた所領の地域社会構造分析を進めた。特に和泉の山間村落・春木川村について分析し、2008年度史学会大会の近世史部会シンポジウム「山里の社会史」で、村落秩序の展開と山の用益に関する口頭報告を行った。博士論文では、伯太藩の地方支配を具体的に明らかにする際、畿内の領主支配に共通する《所領の散在性》という特質を踏まえ、人やモノの動きの面でそれぞれの地域社会構造の差異が地方支配や組合村にもたらす影響を具体的に考察していきたいと考えている。そこでは、山間地域にありながら、他の平野部の村落と同一の「郷」(組合村)に属した春木川村の村落構造は、「郷」という支配単位そのもののあり方や内部の運営を考えるうえで重要である。 (3)伯太藩の地方支配に関する史料の収集・整理を行った。本研究では、具体的な村落社会の解明をくぐらせて領主支配の特質を検討したいと考えている。今後は、所領の地域社会構造分析と同時に、いくつかの村々を組み合わせて編成される地方支配の枠組み「郷」の運営実態についての考察を検証していきたい。今年度はその分析に入る準備として、郷で作成された勘定帳などの史料を撮影し、翻刻を進めた。
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