2008 Fiscal Year Annual Research Report
好熱性シアノバクテリアの光受容体TePixJの構造・機能解析
Project/Area Number |
08J11114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石塚 量見 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シアノバクテリオクロム / フィコシアノビリン / フィコビオロビリン / 光受容体 / シアノバクテリア / フィトクロム / 青色光 / 緑色光 |
Research Abstract |
1、TePixJの光可逆変換機構の解明 大腸菌でTePixJアポタンパク質とシアノバクテリアの主要発色団であるフィコシアノビリン(PCB)を共発現させ、発色団が結合したTePixJを精製した。この標品は本来のTePixJの吸収特性に似た青色と緑色光で光可逆変換したが、発色団組成はPCBとフィコビオロビリン(PVB)が混ざったヘテロだった。次にin vitroの再構成実験を行った。大腸菌から精製したTePixJアポタンパク質と化学合成したPCBを混ぜると、PCBが結合したTePixJが得られた。この標品は本来のTePixJの吸収波長と異なり、また光変換の効率も悪いが、青色と緑色の光可逆変換をした。この標品を好熱性シアノバクテリアの至適温度で保温すると、吸収特性が本来のTePixJのものに近づき、発色団もPVBに変換することが分かった。まとめるとTePixJは最初に赤色を吸収するPCBを結合し、自ら短波長の光を吸収しやすいPVBに変換する。またTePixJのFTIR解析と点変異導入実験から青色光吸収型では494番目のシステイン残基がPVBのC10位に相互作用することが示唆された。この相互作用によりPVBの共役系がさらに短くなりPVBが青色光を吸収することを可能にする。光受容体自身が持つ異性化活性は、シアノバクテリアが様々な光環境に適応することを示す好例と言える。 2、TePixJの結晶構造解析 シアノバクテリアから精製した標品を用いて、TePixJの緑色光吸収型の結晶構造を解像度2.4Åで得ることが出来た。この構造から、本来のTePixJの発色団がPVBであることが示された。またPVBと相互作用するアミノ酸残基が明らかになり、部位特異的変異導入実験の進展に貢献した。
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Research Products
(5 results)