2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J11175
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鵜戸 聡 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 文学 / アルジェリア / マグレブ / カテブ・ヤシン / フランス語圏文学 |
Research Abstract |
アルジェリアの作家であるカテブ・ヤシンの研究を実施した。平成二十年度は通常の作品研究にくわえて、アルジェリアに渡航し、現地の代表的なカテブ研究者であるアルジェ大学のイスマイール・アブドゥーン博士らと交流し、同時に現地の資料を調査・収集した。また、アルジェリアの全国紙の一つである『レクスプレッション』紙のインタヴューに応えるなど、日本人研究者としてのアルジェリア文学研究についての見解の一端を示す機会を得た。そのような調査にもとづいて、帰国後には博士論文の執筆に着手し、現在もその作業を続けているが、中途の研究報告として、日本フランス語フランス文学会(秋季大会)のワークショップ「フランス語表現作家とポストコロニアル」において「カテブ、ヤシンとコスモグラフィーの軌跡」と題した発表を行った。また、レバノン国ベイルートにおいて開催された日本の中東研究を紹介する国際会議においても"Cosmology of French Writing in Arabic Countries:Algeria and Lebanon"という報告を行った。さらに名古屋市立大学において開催された「世界の移民・亡命文学の現況と可能性」と題されたシンポジウムにも招かれて「カテブ・ヤシン、あるいはアルジェリアの世界文学-フランス語とナショナリズムの相克をめぐって」という発表をおこなった。このようなマグレブやアルジェリアのめぐるフランス語文学についてはその重要性が認められつつも研究の蓄積が世界的に不足しているため、諸研究者からも大きな興味を持って受け入れられることしばしばであった。現在執筆中の博士論文が完成した暁には、当該分野における重要な基礎研究となるはずである。
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Research Products
(1 results)