2008 Fiscal Year Annual Research Report
生涯学習支援者評価指標の開発に関する実証的研究-派遣社会教育主事を例として-
Project/Area Number |
08J11220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松橋 義樹 The University of Tokyo, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 生涯学習 / 社会教育 / 評価 / 社会教育主事 / 派遣社会教育主事 |
Research Abstract |
平成20年度においては、2ヵ年の研究の1年目ということで、まず、研究課題の遂行に必要な基礎データの収集、及び先行研究をもとにした基礎理論の整理を行った。派遣社会教育主事にかんする先行研究に加え、これまで収集してきた社会教育行政職員に関する先行研究、及び生涯学習・社会教育の推進にかかわる非常勤職員・ボランティア等有志指導者に関する先行研究を包括的に分析し、生涯学習支援者への評価にかかわる基本課題を抽出・整理した。そこでは、特に、本研究の課題の根本にある「人(専門スタッフ)」への評価のあり方という点で、生涯学習支援者については長期間の職務をとおして及び体系的な養成・研修システムによって培われる専門性をもとにした職務の存在を前提とするべきではない、という視点の必要性が明らかになった。 また、いくつかの都道府県(教育委員会・各都道府県下市区町村教育委員会・派遣社会教育主事経験者)における聴き取り調査を実施し、どの都道府県においても大半が学校教員から登用される派遣社会教育主事にかんし、学校教育と社会教育との接点を代表するものであり、かつその推進が派遣社会教育主事の主な職務として期待されている「学校(・家庭)と地域との連携」という点では学校教育及び社会教育にかんする経験は極めて多様であり、派遣社会教育主事が画一的・統制的な政策誘導の中心的担い手であるというこれまで広く流布されてきたイメージとは結び付かないことを評価の前提とすべきであることが導き出された。他方、近年では学校教育と社会教育との連携がますます重視され、社会教育の意義が学校教育とのかかわりで吟味される場合が少なくない中で、社会教育の本来の意義についての検討をとおし、生涯学習支援者への評価の直接的な対象となるであろう「専門性」の発揮状況の理想形態についても再検討が必要であると考えられ、次年度の課題と位置付けている。
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Research Products
(2 results)