2010 Fiscal Year Annual Research Report
性選択と食性進化の相互作用がもたらす種多様性創出メカニズムの解明
Project/Area Number |
08J11227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
笹川 幸治 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | オサムシ科 / 食性進化 / 配偶形質 / 分子同定 / 幼虫形態 |
Research Abstract |
ニセコマルガタゴミムシの配偶形質データの解析 種子食性ゴミムシにおける食性進化と配偶形質進化の関連性を明らかにすることを目的として、これまでに種子食性ゴミムシのAmara属の配偶形質データを集めてきた。既に昨年度までに、7種について、雌雄交尾器形態・交尾時間・精子長・精包サイズのデータを取ってある。本年度は、ニセコマルガタゴミムシ(A.simplicidnes)についても同様のデータをとった。本種の配偶形質は近縁種のコマルガタゴミムシ(A.sinuaticollis)と類似しているが、交尾時間などに明瞭な違いがみられた。 分子同定と形態測定学的解析にもとづいたオサムシ科幼虫の齢判別法の開発 種子食性ゴミムシを含むオサムシ科において、野外で採取した幼虫の齢(成長段階)を判別する方法を新たに開発した。この方法は、分子同定による種同定(DNAバーコーディング)と古典的な形態測定学的解析を併用したものである。解析の結果、一部のグループを除いて、高い精度(80%以上)で幼虫の齢判別が可能であった。また、解析に影響を与える要因として、幼虫の実際の齢(中間的な齢ほど誤判別の割合が高い)と分類群(幼虫食性が多様な分類群ほど誤判別の割合が高い)の2つがあることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)