2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J11303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 崇敬 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ポリケタイド合成酵素(PKS) / プレニル基転移酵素(PT) / エポキシヒ酵素 / DTBA / farnesyl-DTBA / terretonin / A.oryzae |
Research Abstract |
プレニル基転位酵素(PT)の機能解析 まず、異種糸状菌Aspergillus oryzae M-2-3株における複数遺伝子共発現系の構築を行った。二つ目のマーカーとして抗生物質pyrithiamine耐性マーカーを有する糸状菌発現ベクターpPTR Iを用い、目的のPT遺伝子(trt2)を導入したプラスミドで、既にPKS遺伝子を導入したA.oryzaeを再度形質転換し、PKS、PT遺伝子共発現株を得た。これをCD-starch培地にて誘導培養後、trt2遺伝子特異的な生産物の構造解析を行い、DTBAにファルネシル基が付加した化合物、farnesyl-DTBAであることを同定した。この結果から、本PTは既知のaromatic PTの中でファルネシル基を導入する初めての例であると共に、ベンゼン環置換メチル基の付け根にプレニル基を付加し、四級炭素を構築する極めて特異なPTであることから、今後は基質特異性を含めた更なる機能解析を行い、本PTを用いた非天然物化合物ライブラリーの構築を目指していきたい。 エポキシ化酵素の機能解析 続いてfarnesyl-DTBAのエポキシ化に関与する酸化酵素の機能解析を行った。インドールジテルペンpaxillineの生合成に関与するPaxMはFAD-dependent monooxygenase(FMO)であり、プレニル基のエポキシ化に関与すると推定されている。そこで、そのホモログであるTrt8の機能を解析するため、PKS、PT、FMO三遺伝子共発現体を作製した。FMO遺伝子特異的な生産物の分析を行ったところエポキシ体及びその加水分解産物であるジヒドロキシ体が得られた。 この様に異種糸状菌発現系を用いterretoninの生合成初期段階を再構成することに初めて成功した。ジヒドロキシ体への変換はホスト由来の加水分解酵素による非特異的な加水分解と考えられるため、こういった予期せぬ反応をどの様に抑えていくかが、A.oryzaeを用いた有用物質生産系の構築に向けての今後の課題となる。
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Research Products
(3 results)