2010 Fiscal Year Annual Research Report
ROS-ASK1-p38経路に関わる因子の網羅的スクリーニング
Project/Area Number |
08J11368
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤澤 貴央 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ALS / 小胞体ストレス / SOD1 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因として132種類ものSOD1遺伝子変異が知られている.これら全ての変異型SOD1に共通する毒性発揮機構はこれまで全くわかっていなかった.最近所属研究室により,3種類の変異型SOD1が小胞体膜タンパク質Derlin-1と結合することで小胞体に負荷を与え,運動神経細胞死を引き起こす機構が明らかにされた.また,昨年度の研究において,私は132種類の変異型SOD1についてDerlin-1との結合を検討し,124種類もの変異型SOD1がDerlin-1と結合することを明らかにした.本年度の研究では,124種類もの変異型SOD1がDerlin-1と結合する共通機構の解明を試みた. 私はまず,2種類の変異型SOD1のDerlin-1結合領域を検討した.その結果,異なる2種類の変異型SOD1がどちらもN末端5-18アミノ酸でDerlin-1と結合していることが明らかとなった.私は,野生型SOD1のN末端5-18アミノ酸は露出せずに隠れており,124種類の変異型SOD1では構造が崩れてN末端5-18アミノ酸を露出することでDerlin-1と結合していると予想した.これを生化学的に検討するために,私はSOD1のN末端5-18アミノ酸に対するモノクローナル抗体を作製した,この抗体を用いて全変異型SOD1の免疫沈降実験を行った結果,Derlin-1と結合する変異型SOD1は全て免疫沈降されることがわかった.さらに私は,SOD1のN末端5-18アミノ酸の露出がヒトALS患者の細胞内でも起こっていることを明らかにした.よって,Derlin-1との結合領域の露出が変異型SOD1による毒性発揮の共通機構である可能性が強く示唆された.
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Research Products
(1 results)