2009 Fiscal Year Annual Research Report
安全性と再利用性の高いアスペクト指向言語の設計と実現方式
Project/Area Number |
08J11378
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青谷 知幸 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アスペクト指向プログラミンング / プログラミンング言語 / プログラム解析 / 型システム |
Research Abstract |
アスペクト指向プログラミング(AOP)の安全性と表現力の向上を目的に研究を行い、 1柔軟な暗黙の型変換をAOPの提案、 2分散システムにおけるセキュリティ・ポリシー記述のためのAOP言語AspectKE^*の設計と言語処理系の実装、 3安全かつ柔軟なAOPを実現すStrongRelaxAJの提案を行った。 暗黙の型変換を利用すると、異なる2つのライブラリを自然に統合でき、また組み込み領域特化言語(EDSL)で書かれるプログラムの可読性が上がるという利点があるが、暗黙の型変換が適用される条件が言語設計者によって定められており、ユーザーが自由に拡張することができなかった。本研究ではAOPを応用して、ユーザーが適用条件を自由に拡張できる暗黙の型変換を実現する方式を提案し、11月17日にオークランドで開催された国際ワークショップAOAsia5で発表した。 AspectKE^*は分散システムの作成のためのプログラミング言語である。プログラマはパスワードの漏洩などをプログラム解析の結果を利用することで防ぐことができる。一般にプログラム解析は複雑で扱いづらいが、AspectKE^*ではプログラム解析を容易に行うための函数を提供することでこの問題を解決している。研究成果をまとめた論文は国際ワークショップACP41Sに採択され、ワークショップ議事録に収録された。 StrongRelaxAJはJavaをベースとして作られたAOP言語AspectJの拡張である。AspectJは型安全でなく、また柔軟性に欠けていることが先行研究で個別に指摘され、解決されてきた。StrongRelaxAJはこれらの研究成果を統合して、安全かつ柔軟なプログラムを書けるようにしたものである。言語設計を説明した論文は国際ワークショップFOALに採択され、ワークショップ議事録に収録された。
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Research Products
(4 results)