2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J11439
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
三浦 憲人 University of Toyama, 大学院・理工学教育部, 特別研究員DC1
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Keywords | シソ科 / 染色体 / 倍数性 / 分類 |
Research Abstract |
日本産シソ科植物25属(キランソウ属・ニガクサ属・ハッカ属・シロネ属・イブキジャコウソウ属・トウバナ属・シソ属・イヌコウジュ属・カワミドリ属・ラショウモンカズラ属・カキドオシ属・イヌハッカ属・ムシャリンドウ属・ジャコウソウ属・メハジキ属・オドリコソウ属・イヌゴマ属・ウツボグサ属・ミズトラノオ属・テンニンソウ属・シモバシラ属・ナギナタコウジュ属・アキギリ属・ヤマハッカ属・タツナミソウ属),69種12変種について染色体数を明らかにした。これは日本産シソ科植物の約60%にあたる。この結果よりシソ科植物の4分の3の属について基本数を推定することができた。 平成20年度の観察において、過去に2n=18のみが報告されていたラショウモンカズラで、2n=27が新たに観察された。この結果により倍数性の存在が明らかになった。 テンニンソウ属は2n=46および2n=69の2種類の倍数性が富山県で報告されている。20年度は栃木県・神奈川県・富山県・山梨県・長野県・岐阜県・兵庫県・徳島県において20個体の染色体観察を行ったところ,すべて2n=46であった。このことから日本産テンニンソウは富山県よりも低緯度では2n=46が通常であり,2n=69は富山県のみで見られる染色体数であることが明らかになった。21年度は富山県よりも高緯度での採集,染色体観察を行うことによって,2n=69が高緯度の地域で生育しているのか,富山県のみで生育しているのかを明らかにし,2n=69の生態をより深い理解することができると考えられる。 日本産カキドオシは,2n=36,45,54の3種類の倍数体の存在が明らかであり、その中で,2n=54に関して花粉稔性から発生過程の異なった2種類の系統が存在することが示唆された。2種類の系統の存在を明らかにするため,倍数体の分布状況の異なっていた宮城県(2n=36および2n=54のみ分布)・富山県(2n=36,45,54が分布し2n=45が最も少ない)・福井県(2n=36,45,54が分布し2n=45が最も多い)の3県からそれぞれの倍数体植物を採集した。各地で採集した2n=54の減数分裂を観察することによって,2n=54の中に複数の系統の存在を明らかにすることができると考えられる。
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Research Products
(7 results)