2010 Fiscal Year Annual Research Report
輝度情報処理のダイナミズムと羞明のメカニズムの解明
Project/Area Number |
08J11472
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀口 浩史 東京慈恵会医科大学, 医学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | ipRGC / 羞明 / 機能的磁気共鳴画像 / 両側後頭葉底部 / 高時間周波数 |
Research Abstract |
羞明が何故生じるのかが不明であるため、その根本的な治療は現在不可能で対症療法しかない。そこで、この羞明がどのような脳回路によって生じるのか、心理物理学的手法と神経画像的手法を併用して、羞明の脳回路モデルを立てて、その発生機序を解き明かすことが本研究の目的である。先行研究より、視覚入力と体性感覚入力の両者の複合により羞明が生じている事が予想される。体性感覚入力と比較して再現性・安全性が高いと考えられたため、特に視覚入力から生じる羞明に重点をおいて研究を行っている。視覚入力において輝度情報処理だけでなく、近年発見されたメラノプシン含有神経節細胞が羞明に関与している可能性が過去の報告で示唆されているため、従来のモニタでは不可能な、大きなダイナミックレンジで高時間解像能を持ち、さらにメラノプシンだけを単独に分離刺激出来る装置を作成した。6色の高輝度LEDを用いて、心理物理実験とMRIでも使用可能である。現在市販では最高輝度のLEDを用いているので、プラスチック光ファイバーによる著しい光量の減衰後も、75, 50, 25%時に1043, 720, 389cd/m^<-2>の高輝度光を提供することを実現した。視覚刺激装置の色再現領域は通常の液晶モニタと比較しても非常に大きい。前述したように、この装置はLEDを16bitの時間解像度で、また12bitで振幅量を調整することが可能であり、高時間周波数領域における市販のディスプレイでみられるようなコントラストの減衰をおこさない。LMS錐体反応分離のみならずメラノプシン分離反応を起こす刺激の作成が可能であり、また輝度情報処理のダイナミズムを精査する上で重要な幅広い輝度変化量と正確な時間分解能をもつ装置の開発に成功した事は、今後の研究の更なる発展に重要である。
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Research Products
(2 results)