2008 Fiscal Year Annual Research Report
非天然アミノ酸多重導入技術を利用したリン酸化タンパク質の構造機能解析法の開発
Project/Area Number |
08J11485
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
飯島 一生 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非天然アミノ酸 / 蛍光消光 / 蛍光共鳴エネルギー移動 / 4塩基コドン / アンバーコドン / タンパク質 / 無細胞翻訳系 / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
非天然アミノ酸導入技術は、拡張遺伝暗号を介して蛍光標識した非天然アミノ酸をタンパク質の特定部位に導入することを可能とし、タンパク質の新たな構造機能解析法としての応用が期待されている。本研究はこの技術を生命現象において重要な役割を担うリン酸化タンパク質の構造機能解明に応用することを目標とする。本年度は、1.本技術を蛍光基の消光現象を組み合わせ、タンパク質の構造機能解析法としてさらなる応用を図ると同時に、2.無細胞翻訳系においてタンパク質への導入が困難であったリン酸化アミノ酸の導入効率を向上させることを試みた。1.については、マルトース結合タンパク質(MBP)を用いた2通りの方法から本手法の有用性が示せた。1-(1)蛍光基が近傍にあるTrpに消光される特性を基質の結合の検出に利用する方法からは、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)ペアとなる2種類の蛍光標識アミノ酸を、N末端および基質結合ポケット中のTrp近傍に特異的に導入した蛍光二重標識MBPを用い、基質結合を2種類の蛍光の強度比により定量的に検出できた。1-(2)蛍光標識アミノ酸とその消光基として機能する非天然アミノ酸を同時にタンパク質に導入する方法からは、蛍光基と消光基で標識した非天然アミノ酸を二重導入したMBPを用い、変性や基質結合に伴う構造変化を蛍光基から消光基へのFRETの変化から検出できた。また2.については、導入効率の高いアンバーサプレッサーtRNA骨格を様々な生物種のtRNAから同定することとした。実際には、無細胞翻訳系でN末端にアンバーコドンを挿入したEGFPに対し、種々のtRNAによる蛍光標識非天然アミノ酸導入を行ない、リアルタイムPCR測定機を用い、EGFPから蛍光標識アミノ酸へのFRETによりその導入効率を評価するという手法を構築し、この探索法から、非天然アミノ酸を高効率に導入するtRNAを同定できた。
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Research Products
(8 results)