2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J11495
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
涌井 貞一 The University of Electro-Communications, 大学院・電気通信学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | CMOS / 誘電率 / 第一原理計算 / ハフニウム / シリコン |
Research Abstract |
はじめに、博士課程1年次までに確立した局所誘電率評価方法の改良を行い、誘電率の空間分布を求める精度、信頼性を向上し、汎用性を高める事に成功した。 シリコン酸化膜を置き換える高誘電率絶縁材料として有望なハフニウム酸化物の超薄膜モデルを構築し、誘電特性評価を行った。薄膜表面をハフニウム原子で終端すると、表面近傍に局在した金属状態が現れ、表面近傍で局所誘電率が増加する事が分かった。そこで、表面を水素原子で終端すると表面金属状態が消え、表面効果が抑制されることが分かった。次に、薄膜化の限界を探るため、誘電率の膜厚依存性を調べた。その結果、ハフニウム酸化膜は2分子層厚の超薄膜においてもバルク結晶の誘電率を再現する事が明らかとなり、酸化ハフニウム膜は極限まで薄膜化が可能だと分かった。また、半導体基板上に酸化ハフニウム薄膜を成長させると起こる格子歪みによって、誘電率がどのように影響を受けるかを調べた。ハフニウム酸化物においては、面内方向に引き延ばされる歪み対しては誘電率を大きくし、縮むと誘電率も小さくなる事が分かった。これは正方晶の短軸方向の誘電率が大きくなる事に対応しており、シリコン酸化物の薄膜では見られなかった特徴である。よって、シリコンとハフニウム酸化物の直接接合を作製することが出来れば、界面近傍での誘電率は大きくなることが期待される。現在は2009年度の研究にむけて、電界効果トランジスタの動作に重要な部分である、シリコン基板とハフニウム酸化物の界面近傍における局所誘電率を調べるため、界面構造モデルの検討と構築を行い、研究を開始したところである。
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Research Products
(5 results)