2009 Fiscal Year Annual Research Report
エピジェネティクス解析のための新規アプタマーの探索と応用
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08J11563
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
吉田 亘 National Research Institute for Child Health and Development, 周産期病態研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | インプリント遺伝子 / DMR / メチルCpGアプタマー |
Research Abstract |
母性・父性アレル間でのメチル化状態の差が生殖細胞(卵子・精子)の成熟過程で確立されるゲノム領域はprimary DMRと定義され、インプリント遺伝子の発現制御において中心的な役割を担う。一方、DNAメチル化酵素関連遺伝子であるDnmt3Lを欠損した雌のマウスは、卵子形成時に確立されるprimary DMRのメチル化を形成することができない。そこで、Dnmt3Lを欠損したマウス由来の胚と野生型の胚のメチル化パターンを比較することによって、新規primary DMRを同定することができると考えた。そこで、抗メチルシトシン抗体による免疫沈降DNAをアレイ解析することによってゲノムワイドにメチル化領域を決定した。その結果、Dnmt3Lを欠損したマウス由来の胚において特異的に低メチル化状態にあるCpG islandを52領域同定することができ、詳細に解析した結果、上位5領域は新規DMRであった。次に、本研究で同定した新規DMR近傍に存在する遺伝子がインプリント遺伝子であるか解析したところ、9.5日胚では父・母由来の両アレルから発現しているが、POマウスの脳では父親由来のアレルからのみ発現している遺伝子を同定することができた。この遺伝子はヒトにおいて知的障害の原因遺伝子であることが示唆されており、今後、アプタマーを用いてこの領域のDNAメチル化異常を迅速簡便に検出できるシステムを開発することによって、知的障害の発症メカニズム解明に貢献できると考えられる。
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Research Products
(3 results)