2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J11593
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
江里 綾子 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 濡れ / 液体薄膜 / ソフトマター物理学 |
Research Abstract |
厚みが1ミリメートルほどの容器(ヘレ・ショウセル)を用いて、高分子粘性液体中に、2次元に閉じ込められた気泡を生成し、その寿命について実験・理論の両面から調べている。気泡の寿命を論じるには、薄膜の厚み減少・不安定化・破裂という一連の過程について理解する必要がある。これまでに、気泡に生じる薄膜の厚み減少法則を明らかにした。本年度は、液体薄膜の境界条件の変化・気泡の上昇過程について詳しく調べた。薄膜の動力学を議論する上で、境界条件が重要な役割を果たすことが、過去やわれわれのこれまでの研究から明らかになっている。本研究においては、薄膜に粒子を浮かべたり界面活性剤を加えたりすることで、境界条件を変化させることを試みた。界面活性剤を加えた実験では加えない時と比べて顕著な差は見られなかった。粒子を浮かべた実験では、定性的に予期していた結果が得られた。また、気泡は、ヘレ・ショウセル中を一定速度で上昇することが実験解析の結果より分かった。今後、この上昇法則ついてさらに理解したい。また、破裂現象については、気泡に生じる薄膜だけでなく、実験条件を変えて様々な状況での薄膜について調べ、この現象をより詳細に理解したい。また、破裂進行時に不安定化か起こることが予想できるので、それをとらえることを目指す。
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Research Products
(7 results)