2008 Fiscal Year Annual Research Report
新奇糖脂質加水分解酵素EGALCの構造、機能および応用に関する研究
Project/Area Number |
08J11609
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石橋 洋平 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | スフィンゴ糖脂質 / 糖質加水分解酵素 / EGALC / 病原性真菌 / 糖鎖構造解析 / 海藻糖脂質 / 蛍光標識 / 糖転移反応 |
Research Abstract |
EGALCの応用に関する研究 EGALCはガラ系列糖脂質に特異的に作用する糖質加水分解酵素である。また、EGALCは糖転移反応を触媒することが出来る。この糖転移反応を利用し、蛍光標識されたアルカノールをアクセプター基質として用いることで高感度かつ簡便なガラ系列糖脂質の同定・解析法の開発を目指した。蛍光標識ペンタノールを用い、使用する酵素量を調節することで、糖転移反応の高効率化に成功した。この結果、高感度に検出可能(50 fmolでS/N=5)な蛍光標識糖鎖を簡単に得ることが可能となった。また、この蛍光標識糖鎖の構成糖の種類、数に応じたHPLC迅速かつ高い分離能を示す条件を見つけ出した。HPLCにより分離された蛍光標識糖鎖を質量分析にかけることで、その構造解析を行うことが出来た。本研究により開発された方法を用い、病原性の真菌や寄生虫から得られた生体試料からガラ系列糖脂質を検出することが出来た。これらの研究成果はGlycobiologyに採録が決まっている(Glyco-2009-00047)。この方法を用いて、様々な生物からガラ系列糖脂質のスクリーニングを行った結果、海藻よりガラ系列糖脂質を発見した。アナアオサをサンプルにして、この糖脂質を精製し様々な分析機器を駆使し構造解析を行った結果、これまでに報告の無い新奇構造をもつ糖脂質であることが判明した。この成果は本年度の水産学会で報告した。本研究で開発した方法は独自性が高く簡便かつ高感度に糖脂質を検出・分析することが可能であり、糖脂質研究を進展させる有効なツールとして活躍することが期待される。
|
Research Products
(5 results)