2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノオーダで材料内部の変形・破壊特性を評価するための3次元画像解析
Project/Area Number |
08J11707
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中澤 満 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 3D-CT / マッチング / 材料評価 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の核である「材料内部に存在するミクロ組織を変形前後間でマッチングする」課題に取り組んだ。材料内部には数万を超えるミクロ組織が点在するため、想定されるマッチングの組み合わせ総数は膨大になる。また、従来のマッチング手法では、材料の平行移動・回転を考慮するために予め初期位置合わせが行われているが、この作業は手動で行われており、困難を極めている。上記の問題を解決すべく、我々はミクロ組織の中でも変形に強く、様々な形状が存在すると言われている不純物粒子に注目した。具体的には、まず不純物粒子の中で体積が大きい粒子(以下Landmark)のみを用いてマッチングを行い、残り(以下Non-landmark)はLandmarkのマッチング結果を用いて変形前後間の移動量を推定することでマッチングするといった階層的マッチング手法を提案した。 Landmarkマッチングでは、弛緩整合法と呼ばれるマッチング手法を採用した。弛緩整合法は、近傍の整合性を考慮しながら対応確率を更新することでマッチング関係を最適化する手法である。Non-landmarkでは、Radial Basis Function Transformと呼ばれる移動量補間手法を用いてLandmarkマッチングの結果から移動量推定を行い、マッチングした。RBFTの中に調整しなければならないパラメータが存在するが、バネモデルを用いてパラメータ毎のマッチング結果を評価し、最適値を探索している。 実験では不純物粒子が6,000個以上存在する2024アルミニウムを用いて、変形試験する様子をシミュレートした。変形前と変形4段階それぞれに対し、材料中に含まれる不純物粒子のマッチングを試みた結果、99%を超えるマッチングに成功した。ただし、Landmark、Non-landmarkを区切る体積しきい値によって結果が変化するため、来年度では体積しきい値を自動で最適決定する手法を検討する。
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Research Products
(3 results)