2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノオーダで材料内部の変形・破壊特性を評価するための3次元画像解析
Project/Area Number |
08J11707
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中澤 満 Keio University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 3D-CT / 材料評価 / ナノオーダ解析 |
Research Abstract |
今年度は,本手法が実際の試験に対応できるよう誤マッチングの検出を目標とした.昨年度までは率6,000点のミクロ組織に対し仮想引張試験を行っていたが,これは変形前のミクロ組織が変形後にも必ず存在する前提での試験であった.実際の試験の場合,撮像範囲のずれ等によってマッチングできないミクロ組織が現れることは容易に想定できる.このような問題に対し,実際にマッチングした移動ベクトルと周囲のマッチング結果から推定された移動ベクトルの差を用いて誤マッチングを検出する対策を講じた. またマッチング結果の正しさを表す指標としてバネモデルが挙げられるが,変形後にミクロ組織が消失した場合には対応ができない問題がある.そこでマッチング出来なかった変形前の不純物粒子は,周囲のマッチング結果から推定された移動ベクトルの先に仮想的に存在しているものとした.これによってマッチング結果の正しさを常に評価できるようになった. 今年度提案した改良手法を評価すべく,20,000点のミクロ組織を含む材料に対し,仮想引張試験を行った.この試験は引張によってミクロ組織が次第に撮像範囲外へ移動していくことを想定している.結果,マッチング適合率約99%を実現し,実際に変形破壊特性を解析・評価するには十分な結果が得られた. またマッチング結果から得られるミクロ組織の移動ベクトルには材料自体の並進回転成分が含まれているため,本研究の最終目的である変形破壊特性を解析・評価できない.そこでマッチング結果から3次元のひずみ分布を取得するシステムを開発した.現在,このシステムは共同研究グループにて運用中である. 昨年度までの研究成果をまとめ論文誌Machine Vision and Applicationsへ投稿した結果,受理された.
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Research Products
(4 results)