2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノオーダで材料内部の変形・破壊特性を評価するための3次元画像解析
Project/Area Number |
08J11707
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中澤 満 慶應義塾大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 粒子追跡 / 材料評価 / サブミクロン解析 |
Research Abstract |
材料内部に含まれるミクロ組織の変位ベクトル場を取得すべく、前年度は体積からミクロ組織を複数層に分け、大きい層に属するミクロ組織から順にマッチングする手法を提案した。体積が小さいミクロ組織は既知の変位ベクトル場からその変位ベクトルを推定し、マッチングすることができる。しかしながら、変位ベクトル場に誤マッチングが含まれる場合、変位ベクトルの推定に悪影響を与え、結果、変形破壊特性が虚偽なものとなる。そこで今年度は、変位ベクトル場の高精度化を目標と定めた。その詳細を下記に示す。 まず、材料の変形前後を入れ替えてマッチングした結果と比較し、異なっている対応関係を削除した。更に、層ごとのミクロ組織の出現分布特性にあわせて誤マッチングの検出手法を使い分けた。分布が粗であるときは材料の並進・回転成分と大まかな変形を表す射影変換行列をLMedSより推定した。そして、推定された変位ベクトルと実際にマッチングした変位ベクトルの差を評価値として誤マッチングを検出した。分布が密であるときは周辺にある変位ベクトル群と比較し誤マッチングを検出した。 提案した高精度化手法を検証すべく、仮想引張試験と実引張試験を行った。その結果、仮想引張試験ではマッチング適合率99%を超え、変形破壊特性を解析するのに十分な結果が得られた。また実引張試験でも目視で得られた変位ベクトル場に虚偽がないことを確認し、更にひずみ分布から変位ベクトル場が結晶粒のすべりの影響を受けていることが確認できた。以上より、本研究の目的を達成することが出来たといえる。
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Research Products
(2 results)