2008 Fiscal Year Annual Research Report
言語ベース探索アルゴリズムによる名人を超えるコンピュータ将棋の実現
Project/Area Number |
08J11708
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隼一 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゲーム / アルゴリズム |
Research Abstract |
ngramモデルを利用してゲーム木の必要な部分を深く,そうでない部分を浅く探索するようなアルゴリズムを考案した.コンピュータ将棋では鶴岡らの実現確率探索がよく知られており同様の効果を目的としている.この手法では局面の実現確率Pを,ルート局面で1,子局面では親局面の確立に指し手の確率(人の棋譜かち統計的に求める)をかけたものとして定め,確率が一定の閾値を下回るところまで探索する。この「指し手の確率」は親の局面の特徴と指し手そのものの特徴にのみ依存しており,手筋など連続性のある手順中の手は正当に評価されないおそれがある。そこでngramモデルによる確率を利用することでこの問題の解決を図った.シャノンの提案したngramモデルは語の生起する確率が先行するn-1語によって定まるとする非常に単純なものであるが連続したパターンを表現する優れた手法として認知され自然言語処理をはじめ幅広く利用されている.研究では指し手(移動前の座標,移動後の座標,移動前の駒の種類,成る成らず)を1語と見なし,プロ棋士の棋譜16000局余りから3gramモデルを構築した.このモデルによる指し手の確率を利用したプログラムと一様深さの探索を行うプログラムとを比較対戦したところ有意に勝ち越した(危険率5%で勝率59±6%).しかしながら実現確率探索には今一歩及ばなかった。また指し手予測の精度で見た場合,序盤では高く,ゲームの中盤以降に大きく悪化することが確認できた.今後の課題として(1)このようなゲームの進行との関連性を利用すること(2)モデル化に利用する指し手の特徴を検討し直すことが考えられ,これらを通して最終的なアルゴリズムの完成を目指す.
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Research Products
(1 results)