2009 Fiscal Year Annual Research Report
言語ベース探索アルゴリズムによる名人を超えるコンピュータ将棋の実現
Project/Area Number |
08J11708
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隼一 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 将棋 / 探索 / アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究の目的はminimax探索を基盤とするコンピュータ将棋プログラムに言語処理で培われてきたアルゴリズムを導入し,特にn-gram統計を利用したヒューリスティックを用いて強化を図り名人レベルのプログラムを実現することであった.実際,昨年度導入したn-gramを用いたキラーヒューリスティックや,浅いレベルに限定したヒューリスティックの利用は本研究室で開発を行ってきたコンピュータ将棋TACOSの強化に寄与し,その名前が先日情報処理学会から日本将棋連盟に送られた挑戦状において「名人に伍する力ありと情報処理学会が認めるまでに強いコンピュータ将棋」を実現するための一プログラムとして記されたことで,当初の目的は一定の成果を挙げた. ここ数年のコンピュータ将棋の発展を概観すると,その原動力が大規模な評価関数の自動調整と計算機速度の上昇によって可能となった網羅的な探索にあったと言える.そのような状況で我々の手法は選択的な探索を指向しており方向を異にしていた感はある.しかしながら本年度の発表に挙げたような人間の熟達度を測る指標としてのn-gram統計の利用を見出したことは,一般人がほとんど太刀打ちできなくなったコンピュータ将棋のこれからの方向性-初心者への教師としてのプログラム形成-を考えていく上で貢献できると考える. また本研究での成果はコンピュータ囲碁の発展に貢献できると考えられる.将棋では名人レベルへの目処がついたが,囲碁(19路)ではいまだアマチュアのレベルである.コンピュータチェス,コンピュータ将棋の歴史を見るといずれもヒューリスティックの効果的な利用がプログラム強化のブレイクスルーとなった時期があり,コンピュータ囲碁ではまさにその時期にあたる.本研究の延長として言語ベースアルゴリズムによる名人レベルのコンピュータ囲碁の実現を今後の課題としたい.
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Research Products
(1 results)