2008 Fiscal Year Annual Research Report
がん関連糖鎖抗原に対する単鎖抗体の作製とその診断への応用
Project/Area Number |
08J40063
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
高崎 綾乃 Tokai University, 工学部, 特別研究員(RPD)
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Keywords | がん関連糖鎖抗原 / 単鎖抗体 / Tn抗原 / ファージ抗体 / パニング / SPR解析装置 / T抗原 / シアリルT抗原 |
Research Abstract |
<内容>ファージライブラリー法を駆使し、がん関連糖鎖抗原を標的とした単鎖抗体を得ることを目的として、本研究ではSPR装置を用いてパニングを試みた。標的とする糖鎖は、主要な消化器系がん組織で高発現しているTn抗原とした。本研究ではこれがアミノ酸上にタンデムに並んだTn3ペプチドを用いた。その結果、センサーチップ表面からの回収時間に依存して抗原からの解離速度の遅いクローンが選出された(BMB2008,高崎(松本)綾乃、他)。また、異なる固定化法で固定化されたセンサーチップを用いシアリルT抗原糖鎖、T抗原糖鎖に対しても、パニングを試みている。 一方、従来法で得られたT抗原単鎖抗体クローンをT7プロモーター系で発現させ、リフォールディングを行った。その結果、活性をもつ単鎖抗体の大量調製に成功した。 <意義>生体では免疫寛容により得られ難い糖鎖抗原に対して、ファージライブラリー法ではそのような制約がない。パニングでSPR装置を用いて簡便かつ迅速に得られるならば、糖鎖抗原だけでなくほかの病原体に対しても迅速に対応しうる。 一方、T抗原単鎖抗体クローンの大量調製に成功したが、この方法を用いれば、完全長の単鎖抗体であればクローンごとのアミノ酸配列の相違に依存せずに大量に調製できると考えられる。 <重要性>糖鎖生合成のある系での抗糖鎖抗体の発現は、その宿主の生育に影響を及ぼす可能性が高い。糖鎖を持たない大腸菌による大量調製法を見出したことは抗糖鎖抗体を得るにあたり非常に有意義である。
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Research Products
(5 results)