2011 Fiscal Year Annual Research Report
Rad51のアクセサリータンパク質群による相同組換え反応の制御メカニズム
Project/Area Number |
08J40066
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 奈美 (春田 奈美) 東北大学, 生命科学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | rad51 / BRCA1 / c. elegans / γ-tubulin |
Research Abstract |
今年度より線虫C.elegansをモデル生物として用いて、rad51に関連するタンパク質の一つとしてBRCA1のホモログであるBRC-1についての解析を進めてきた。BRCA1は、ヒトの乳がん原因遺伝子の一つとしてBRCA2とともに同定されたが、BRCA2がRad51のメディエーター機能が明らかにされる一方、BRCA1の役割ははっきりしていない。しかし、Rad51と直接相互作用することから、相同組換えに関与していることが示唆されている。そこで私は、BRCA1/BRC-1の機能を明らかにするために、BRC-1とその結合タンパク質であるBARD1/BRD-1、さらにヒトで相互作用が確認されたOLA1/OLA-1について解析を行った。成虫になる前のL4幼虫の段階でRNAiソーキング法を用いて、それぞれのmRNAを破壊してその表現系解析を行った。その結果、RNAi処理した成虫が産んだ卵の致死率は0%で、ほとんど影響はなかった。しかし、その産卵数は、BRC-1,BRD-1,0LA-1がいずれにおいてもコントロールに比べて減少していたことから、卵形成過程で何らかの影響を及ぼしていることが示唆された。現在、そのメカニズムについてRad-51の表現系とも比較しながら詳細に検討を進めている。 また線虫を用いて、染色体が正しく分配されるのに必要な紡錘体微小管形成についても新たな研究を展開した。Γ-tubulinは、微小管形成に必須のタンパク質であるが、GCPタンパク質と呼ばれるいくつかのタンパク質と複合体を形成する。当研究室で同定された新規タンパク質GTAP-1とGTAP-2が、Y-tubulinと直接結合することをYeast two-hybrid法やバキュロウィルス発現系を用いた再構成系で示し、またショ糖密度勾配法を用いて、これらのタンパク質がY-tubulin複合体の新規構成因子であることを示した。
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Research Products
(1 results)