2008 Fiscal Year Annual Research Report
口腔ガンにおける細胞接着分子ギセリン/CD146の発現と機能解析
Project/Area Number |
08J40068
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小浜 恵子 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | ギセリン / 口腔ガン |
Research Abstract |
本研究は、細胞接着分子ギセリン/CD146の口腔ガンにおける発現を明らかとするものである。細胞接着分子ギセリンが口腔扁平上皮がん細胞株(SAS)、および舌がん細胞株(KYSE30)にあることを、ウェスタンブロッティング法を用い明らかとした。画細胞株を抗ヒトギセリン/CD146抗体で免疫細胞化学染色すると、ギセリンは正常細胞や神経細胞等と同様に細胞膜に極在していた。これらの細胞におけるギセリンの機能を明らかにするため、ギセリンsiRNAを培養細胞に導入したところ、いくつかの配列でギセリンタンパクの発現が抑制された。ギセリンsiRNAを導入した細胞では細胞の形態には変化がみられなかったが、MTTアッセイ法を用いてその細胞増殖をみたところ、SASおよびKYSE30両者において、野生型ギセリンに対しsiRNA導入細胞で細胞増殖が有意に抑制された。また、ギセリンががん転移に関連があるかどうかを明らかとするために、インベージョンアッセイを用い、ギセリンsiRNA導入細胞における転移能を検討したところ、SASおよびKYSE30両者ともに、野生型ギセリンに対しsiRNA導入細胞で細胞の転移性が有意に抑制された。さらに、ギセリンの強制発現実験においては、野生型ギセリンに対しギセリン強制発現細胞の転移が有意に増加した。 以上のことから、ギセリン/CD146は口腔がん細胞および舌がん細胞において、がんの増殖および浸潤・転移に関わっていることを明らかとした。
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