2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境応答としてのプロトンポンプの活性制御機構の解明
Project/Area Number |
08J40113
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西 晶子 Osaka University, 産業科学研究所, 特別研究員(RPD)
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Keywords | V-ATPase / 膜蛋白質 / 細胞・組織 / プロテオーム / 酵素反応 |
Research Abstract |
1、aサブユニットへの変異導入にV1 Vo結合部分の同定細胞外のグルコースの有無による酵母V-ATPaseのV1Voの結合解離は、V-ATPaseの主要な活性調節機構で、私はこれが13あるサブユニットのうちaサブユニットによって調節されている可能性を見い出した。そこでaサブユニットがV1Voの解離に関与する機構を明らかにするため、aサブユニットにランダムに変異を導入し、新しく確立した方法を用いてスクリーニングした。約1X10^5個の独立した酵母の細胞株から、15のポジティブクローンを得た。これらのクローンのaサブユニットの遺伝子配列を調べたところ、7つのアミノ酸残基の変異を同定した。これらはN末のV1と相互作用する領域に存在しており、V1のサブユニットとの相互作用から役割を明らかにした。このアミノ酸残基のうち2つは種を越えて保存され、種を超えV1Voの解離に関与していると考えている。(論文投稿準備中) 2、V1 Voの大量精製法の確立aサブユニットは、N末側C末側でそれぞれV1やVoの双方に結合し、ドメイン解離にも影響を及ぼしている。そこで、aサブユニットのN末側とC末側の部分を強制発現させ、安定して発現する細胞株を得た。現在、これらを含むV1やVoの大量精製法を部分的に確立することに成功し、V-ATPaseの結晶化による3次構造の解明を進めている。 3、動物細胞での飢餓応答に対V-ATPase不活性化機構の存在の検討マウスのaサブユニットを酵母内で強制発現させ、安定して発現する細胞株を得た。現在マウスのすべてのサブユニットを酵母に発現させる系の構築を進めている。酵母では既にV-ATPaseを解析する系が確立しているため、マウスのaサブユニットを発現させた酵母を用い、V-ATPase解析やV1Vo解離の有無など調べ、この機構の普遍性を明らかにしようとしている。
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Research Products
(2 results)