2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J40134
|
Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
飯嶋 良味 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所疾病研究第三部, 特別研究員(RPD)
|
Keywords | 統合失調症 / SNP / 関連解析 / エンドフェノタイプ / 遺伝子解析 / Chromogranin |
Research Abstract |
本研究は,機能性精神疾患に関与するクロモグラニンB(CHGB)の機能の解明を目的とする。本年度は以下の項目についての検討を行った。(1)CHGB調節領域に位置する多型と統合失調症との関連解析:CHGB領域の連鎖不平衡ブロックを検討し,Haploviewプログラムを用いて遺伝子調節領域を中心にTag-SNPを選出,大規模な統合失調症サンプルを用いて検討を行った。その結果,CHGB上流領域に位置する2つのSNPにおいて有意な関連がみられた(p<0.05)。これら2つのSNPは先に報告したExon4内に位置する有意な3SNPとも連鎖不平衡の関係にあり,これら2つのSNPがCHGBの発現という機能調節に関係する可能性も考えられる。(2)CHGB多型とヒトの認知機能との関連解析:ヒトの高度な脳機能であり,精神疾患のエンドフェノタイプとして注目されている認知機能(記憶・知能)と,CHGB多型との関連を検討した。認知機能を評価するため用いた神経心理学的検査は,WMS-R,WAIS-RおよびWCSTである。さらに人格特性の評価としてTCIおよびSPQを用いた。CHGB上流域に存在する2SNPについて,各種検査結果のスコアとの共分散分析を行ったところ,言語性記憶および人格特性のうち新規性追求との関連傾向がみられた(P<0.1)。(3)統合失調症患者末梢Bリンパ芽球におけるCHGBの発現解析:統合失調症患者末梢Bリンパ芽球における網羅的遺伝子発現の結果から,CHGBの発現状態を解析した。アレイ上にスポットされているCHGBプローブのシグナルデータから,統合失調症患者と健常対照者間にCHGBの発現の差があるか検討を行ったが,有意な差は認められなかった。本研究は,国立精神・神経センターにおける倫理委員会の審査および承認のもと行い,全ての対象者は自発的意志のもと研究に参加し,書面で同意が得られている。
|
Research Products
(4 results)