2008 Fiscal Year Annual Research Report
室内環境質改善のための脳内酸素代謝を用いた知的生産性評価
Project/Area Number |
08J40144
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
西原 直枝 Waseda University, 理工学術院, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 知的生産性 / 室内環境質 / 被験者実験 / 精神的努力 / 疲労 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳内酸素代謝を用いた知的生産性評価手法の精度を向上し、室内環境質が知的生産性に与える影響のメカニズムを解明することである。脳内酸素代謝測定には、近赤外分光法による生体内酸素代謝測定システムを用いた。前額にて測定した総ヘモグロビン濃度変化量を精神的努力等の指標とした。平成20年度は、作業の種類や室内環境要素等に対する脳内酸素代謝の反応特性に関する基礎的データを収集し、精神的努力の程度との関連を調べ、評価精度を向上することを目的とした。3種類の異なる作業内容を課した被験者実験結果から、総ヘモグロビン濃度変化量は相対値である為、評価精度の向上には相対値を算出する際の基準値の測定方法に関する検討が必要であることがわかった。そこで、濃度変化が安定する、安静種類と課す時間を選定する事を目的として被験者実験を行い、総ヘモグロビン濃度変化量が安定する補正基準として、閉眼安静が適しており、課す時間は2分間が妥当であることを示した。次に、熱的中立より高温の温熱環境を対象とした被験者実験を行った。温熱環境を作用温度25.5℃、28.5℃、31.5℃に制御し、3桁の乗算作業を二段階の作業負荷(通常速度と最高速度)で課し、精神的努力の程度と総ヘモグロビン濃度変化量の関係を調べた。その結果、28.5℃、31.5℃条件で、最高速度時の総ヘモグロビン濃度変化量が通常速度時よりも高かった。また、通常速度時と最高速度時の差を用いた場合、主観申告による精神的努力の程度と総ヘモグロビン濃度変化量の間に正の相関が認められた。その他、道路交通騒音環境等の被験者実験結果について、疲労や精神的努力の観点から再解析を行った。総ヘモグロビン濃度変化量と疲労の訴え率との関係を示し、騒音の有無および作業の種類(計算および記憶)により脳内酸素代謝状態が異なることを示した。
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Research Products
(4 results)