2009 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星の長期観測データに基づく地球放射線帯の変動モデルの開発
Project/Area Number |
08J40170
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅井 佳子 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 放射線帯 / 放射線計測 / 半導体検出器 / 人工衛星 / 宇宙線 / 宇宙環境 |
Research Abstract |
本研究課題では、地球の放射線帯のダイナミクスに焦点を当て、世界で唯一、長期観測を実現している日本の科学衛星「あけぼの」が、1989年の打ち上げ以降取得し続けている貴重な蓄積データを用いて、太陽活動の影響下に起こる大規模変動を再現するべく、放射線帯の変動モデルの開発を行うことを目的とする。「あけぼの」搭載の放射線モニター(RDM)は、電子、陽子、アルファ粒子をそれぞれ3、3、1つの観測チャンネルで計測を行っている。初年度には、最新の理論とデータに基づいて入射粒子と物質の衝突散乱現象を再現できるGeant4粒子追跡シミュレーションツールを用いて、RDM検出器の検証を行い、データ混入の除去、およびエネルギーレンジの補正値の導出に取り組んだ。その結果、電子が検出器の内部で予想外に極めて複雑な振る舞いをすることが明らかになり、RDM検出器の各観測チャンネルのエネルギー幅に対する補正値を得ることができた。 第二年度にあたる本年度は、前年度までの研究で、検出効率にエネルギー依存があることが明らかになったため、検出エネルギーに幅がある測定値の、検出効率のエネルギー依存を考慮したデータ補正項の導出に取り組んだ。また、NASAのCRRES衛星とRDMデータとの同時観測データ比較を行った。さらに、大阪府立大学との研究協力のもと、現在広く使用されているが古い観測データを基にしているNASAの放射線帯モデルとRDMデータとの統計比較を行った。
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Research Products
(4 results)