2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の情報機器操作における視覚・運動情報の対応特性
Project/Area Number |
08J40171
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
金子 利佳 National Institute of Informatics, 情報社会相関研究系, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 視覚 / 運動感覚 / 加齢変化 / マウス操作 / 知覚心理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高齢者がコンピューターを使用するときの視空間と手の運動空間の対応関係を検討し,高齢者が使いやすいコンピューターの入力装置の特性を明らかにすることである。昨年度は,視覚刺激の呈示,視覚・運動空間の制御,およびコンピューター操作の記録ができる実験システムを構築し,それを使ってマウス操作について3つの実験を行った。 1ディスプレイの傾きに関する実験ディスプレイとマウスの操作面の傾きの違いがターゲットのクリック操作に及す影響について検討した。高齢者は全般に若齢者よりもクリックまでの時間が長く,マウスの移動距離も長いが,年齢にかかわらず,ディスプレイの傾きが変わっても操作にほとんど影響がないことが明らかになった。 2身体に対するディスプレイの位置に関する実験ユーザーの身体方向に対するディスプレイの位置の違いがクリック操作に及す影響について検討した。高齢者は全般に若齢者よりもクリックまでの時間が長く,移動距離も長いが,年齢にかかわらず,ディスプレイの位置が変わっても,操作にほとんど影響がないことが明らかになった。 3視覚的フィードバックの効果に関する実験ディスプレイ上のターゲットをクリックする際に視覚的フィードバックを与えず,運動感覚だけでマウス操作を行う課題を,若齢者を対象に行った。その結果,ディスプレイの傾きが垂直よりも水平に近いときにクリック位置がより正確になることが明らかになった。今後,高齢者についても同様の実験を行い,マウス操作時の運動感覚の加齢変化について検討する予定である。
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Research Products
(1 results)