2009 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の情報機器操作における視覚・運動情報の対応特性
Project/Area Number |
08J40171
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
金子 利佳 National Institute of Informatics, 情報社会相関研究系, 特別研究員(RPD)
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Keywords | 視覚 / 運動感覚 / 加齢変化 / マウス操作 / 知覚心理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者がコンピューターを使用するときの視空間と手の運動空間の対応関係を検討し、高齢者が使いやすいコンピューターの入力装置の特性を明らかにすることである。昨年度は、マウス操作の学習という観点から、ディスプレイの傾きの効果について検討を行った。またタッチ操作実験用のシステムを構築し、ディスプレイのタッチ操作およびタブレットのタッチ操作の特性を比較する実験を行った。 1マウス操作の学習に関する実験課題ではディスプレイ上にポインタを呈示せず、ターゲットの位置と思われる場所をマウスでクリックさせた。クリック後にその位置をディスプレイ上にフィードバックすることによりマウス操作を学習した後で、フィードバックがない条件でターゲット位置をマウスでクリックさせた。その結果、若齢者はディスプレイの傾きが垂直に近いときに比べて、水平に近いときにターゲットのより近傍をクリックできることが示された。この実験の結果について国内学会で発表した。 2ディスプレイのタッチ操作とタブレットのタッチ操作の比較実験高齢者はマウス操作に比べて、タッチパネルの操作性が向上するとされているが、タッチパネル操作とマウス操作は、視空間と操作空間の一致・不一致の違いだけでなく、操作方法(「触る」と「マウスを移動させて、ボタンをクリックする」)にも違いがあり、操作性が向上する要因については十分に明らかではない。そこで、操作方法をペンによるタッチに統一し、次の2つの条件で刺激に応答する課題を行った。一方の条件では、ディスプレイ上の刺激を直接ペンでタッチし、もう一方の条件では、ディスプレイ上に呈示された刺激について机上のタブレットをタッチして応答した。実験の結果、これまでの知見と同様に、視空間と操作空間が一致しているディスプレイのタッチ操作において操作性の向上が見られた。
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Research Products
(3 results)