2009 Fiscal Year Annual Research Report
学級における中学生のジェンダー、言語、アイデンティティ構築のエスノグラフィー
Project/Area Number |
08J40202
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 あゆみ The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(RPD)
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Keywords | ジェンダー / 言語 / アイデンティティ / エスノグラフィー / 人類学 / 社会学 / 学級 / 中学生 |
Research Abstract |
申請者は、博士論文調査を土台にし、中学生たちの学級におけるジェンダー・言語・身体に関する規範との交渉、及び彼女たちのダイナミックな非伝統的言語実践を通じたアイデンティティ形成に関して分析するとともに、彼女たちの言語を通じたジェンダー・アイデンティティ実践を追う長期の追跡調査を行っている。平成21年度に遂げた主な進歩は以下の通りである。 国内学会発表及び投稿論文の執筆。国内学会や、米国での会合での議論を基に、生徒と教師の相互交渉を分析した論文原稿の理論部分を精緻化し、国内ジャーナル(『社会学評論』)への投稿論文「空間をシフトするレジスタンスとパワー:学級における女子中学生のジェンダー・言語・身体規範との権力交渉」として仕上げた。 データの整理分析。採用期間前には博士論文調査の3年分のデータのうちの2年分、及び追跡インタビューのデータが未分析であったが、未分析データ(フィールドノーツ、インタビュー記録、資料等)を引き続き整理検討し、生徒のジェンダー主語の使用状況及びメタプラグマティクス(話者による自らの言語実践への解釈)に関してコード化を行った。 文献調査。博士論文は米国で執筆し、日本の文献がリサーチ不足であったため、21年度も引き続き関連文献調査を行った。特に、自己/アイデンティティに関する日本の文献調査では、西欧の理論とも合わせて、本研究の理論的骨組みを構成することができた。 フィールドワーク。本研究では、博士論文のアイデンティティの章で取り上げた、多様な形で非伝統的な言語実践を行っていた6人の生徒(女子5名男子1名)のメタプラグマティクスについてエスノグラフィーを行うことを計画し、21年度には、生徒たちと連絡を取り、彼女たちの現在の生活世界を訪れ、ラポールを再構築し、彼女たちの様々な文脈や人間関係における言語使用についてのフィールドワークを開始した。
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Research Products
(2 results)