2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J54023
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 静麻 Hokkaido University, 大学院・生命科学院, 特別研究員(DC)
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Keywords | パーキンソン病 / DJ-1 |
Research Abstract |
1.ドパミン分泌におけるDJ-1の機能 ドパミンの生合成および分泌は、最初、Tyrosine hydroxylase(TH)とDopa decarboxylase(DDC)によって合成され、その後、vesicular monoamine transporter 2(VMAT2)によりシナプスの末端まで運ばれドパミン受容体(D2)に分泌される。DJ-1ノックアウトマウスではドパミンの分泌量が減少し、その機能障害が観察された。更に、DJ-1ノックダウン細胞において、ドパミンD2受容体のmRNA量の減少が見られたことから、DJ-1はドパミンD2受容体の転写を制御する機能が観察され、ドパミン分泌の過程でDJ-1は遺伝子レベルおよびタンパク質レベル両方で関与していることが示唆される。 2.シナプスの形態形成へのDJ-1の関与 DJ-1の新たな結合因子として同定したドレブリンはシナプスの構成するアクチン様タンパク質であり、DJ-1のシナプスへの関与を検証した。DJ-1ノックダウン細胞ではドレブリンのタンパク質量に変化は認められなかったが、その細胞に酸化ストレス(過酸化水素)を添加するとドレブリンの減少が認められた。更にDJ-1とドレブリンとの結合を検証した結果、過酸化水素が低濃度の軽度の酸化ストレスではDJ-1との結合が処理をしないときと比べて結合量が増加し、過酸化水素が高濃度になると結合量の減少が認められた。 既にTH、DDCの活性制御において、DJ-1の軽度の酸化が重要ではないかという結果を得ているが、ドレブリンでも同様の傾向が見られたことから、シナプスの形態形成およびドパミンの生合成の活性化には軽度の酸化による酸化型DJ-1との結合が重要であり、高濃度になるとシナプスの機能破綻と共にパーキンソン病の発症へ繋がるのではないかと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] DJ-1-binding compounds prevent oxidative stress-induced cell death and movement defect in Parkinson's disease model rats2008
Author(s)
Shin Miyazaki, Takashi Yanagida, Kana Nunome, Shizuma Ishikawa, Masatoshi Inden, Yoshihisa Kitamura, Shinsuke Nakagawa, Takahiro Taira, Kosaku Hirota, Masami Niwa, Sanae M. M. Iguchi-Ariga, Hiroyoshi Ariga
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Journal Title
Journal of Neurochemistry 283
Pages: 12691-12700
Peer Reviewed
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