2008 Fiscal Year Annual Research Report
マウス精子形成過程におけるpiRNAとPIWIファミリーの機能
Project/Area Number |
08J54194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
後藤 健吾 Osaka University, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | small RNA / 精子形成 / レトロトランスポゾン |
Research Abstract |
本研究の目的は生殖幹細胞(GS細胞)をモデルシステムとして、新規small RNAであるpiRNAとPIWIファミリーによるRNAiの分子機構を明らかにすることである。本年度、研究者はまず2つのマウスPIWIファミリー、MiliおよびMiwi2の欠損マウスに由来するGS細胞を樹立した。これらGS細胞についてRT-PCR解析及びDNAメチル化解析を行った結果、それぞれのノックアウトマウス生殖細胞で観察された、レトロトランスポゾンの転写産物の蓄積と制御領域のDNAメチル化状態の低下が、樹立したGS細胞においても反映されていることが明らかになった。さらに野生型GS細胞で発現するsmall RNAのクローニングを行い、GS細胞においても少量のpiRNAが存在していることを明らかにした。以上の結果から、今回樹立したGS細胞はpiRNAとPIWIファミリーの機能解析を行うための新たなモデル実験系として有用であることが示された。次の段階として、マイクロアレイ解析により、MiliおよびMiwi2欠損GS細胞中で発現が変動するsmall RNAについて解析を行うことを計画している。また、研究者はMiliおよびMiwi2と欠損マウスと同様の表現型が観察された、MVH欠損マウスに由来するGS細胞の樹立と解析も同時に行い、MVH欠損GS細胞においても、レトロトランスポゾン転写産物の蓄積と制御領域DNAメチル化の低下が観察されることを見出した。今回研究者が樹立したMili,Miwi2およびMVH欠損GS細胞を用い、詳細な比較検討を行うことで、マウスPIWIファミリーとその関連分子が、piRNAの機能にどのように関与しているのかを明らかに出来ると考えている。
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Research Products
(1 results)