2008 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ初期発生における転写伸長因子P-TEFbの役割
Project/Area Number |
08J55171
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
種田 拓也 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | ゼブラフィッシュ / 転写伸長 / P-TEFb |
Research Abstract |
本研究は、ゼブラフィッシュ初期胚を材料にして、転写伸長因子P-TEFbの個体発生における機能を解明することを目的としている。P-TEFbは触媒サブユニットCDK9と制御サブユニットであるCyclinT1,T2およびKのどれか一つとのヘテロタイマーで構成されるキナーゼであり、Heximおよび7SK RNAによる活性抑制を受けることが知られている。そこでまず、各因子のゼブラフィッシュホモログをBLASTサーチにより同定し、ゼブラフィッシュ胚のtotal RNAからRT-PCR法を用いてクローニングした。zCDK9およびzHeximについては全長組換えタンパク質を大腸菌BL21株で大量発現し、ウサギに免疫することで抗体を得た。そしてこれらホモログの妥当性を調べるために、zCDK9,zCyclinT1,zHeximのFLAGタグ融合タンパク質をゼブラフィッシュ初期胚に過剰発現し、抗FLAG免疫沈降およびウェスタンブロッティングを行ったところ、それぞれの共沈が観察された。これにより、上述のP-TEFb活性制御がゼブラフィッシュでも保存されていることが示唆された。また、未受精卵から受精後24時間(hpf)までの胚について経時的にウェスタンブロッティングを行ったところ、zHeximタンパク量は漸次的に増加していくのに対し、zCDK9タンパク量は3hpfまで一定だが4〜6hpfにおいて急激に増加した。zCDK9のmRNAレベルについてノーザンブロッティングにより観察したが、4〜6hpfにおいてはむしろ減少することから、何らかの翻訳活性化機構が働き、それによるzCDK9タンパク量増加が胚発生において何か重要な役割を果たしているのかもしれない。今後はクローニングのデータを基に、各因子のノックダウンおよび過剰発現による表現型を解析し、P-TEFb活性制御機構の初期胚発生における機能を解析していく予定である。
|
Research Products
(1 results)