2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J55463
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
冨永 信也 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 急性骨髄性白血病 / MPO / NPM / MEF / FLT3 |
Research Abstract |
急性骨髄性白血病(AML)にみられる遺伝子異常は疾患の病態を規定し,中でもNPM,FLT3,CEBPa遺伝子異常は予後と強く関連する。一方,遺伝子異常以外に染色体核型,白血球数,AML病型も予後と関連し,さらに我々はMPO発現が予後と関連することを明らかにしてきた。MPOを含む種々のAML予後因子とこれら遺伝子異常との関係を明らかにすべく研究を進めている。また,予後と関連するNPM遺伝子を例としてどのような機序によってAMLの治療反応性が規定されているのか,転写制御の側面から詳細な検討を行っている。 臨床検体を用いたAMLにおける予後因子の検討 これまでに,NPMおよびFLT3遺伝子の異常については50症例,CEBPα遺伝子の異常については15症例で解析を行い,NPMは10症例(20%),FLT3は6症例(12%),CEBPαは1症例(6.7%)でそれぞれ遺伝子異常を認めた。FLT3-ITDがある症例とMPO<50%である症例との相関関係には有意差を認めなかったが(p=0.3849),メディアン検定では,FLT3-ITDがある症例はMPOが低い傾向にあった(p=0.0944)。また,NPM遺伝子異常がある症例とMPO<50%である症例との相関関係には有意差を認めなかったが(p=0.0836),メディアン検定では,NPM遺伝子異常がある症例はMPOが低い傾向にあった(p=0.0420)。CEBPα遺伝子異常は1例認めたが,MPOの陽性率との関連については症例数が少なく解析不能であった。今後,更に症例を蓄積し,遺伝子異常とMPOを含めた予後因子との関連を検討する。
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