2009 Fiscal Year Annual Research Report
火星大気飛行中の極限流れにおける翼の空力特性の実験的解明
Project/Area Number |
08J56081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
安養寺 正之 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 火星探査 / 火星飛行機 / 火星大気風洞 / 低レイノルズ数 / 高亜音速 / エジェクター / プラズマ・アクチュエーター |
Research Abstract |
本年度は火星大気風洞の改修を行い,炭酸ガス供給系を導入した.またそれに伴う気流検定試験とエジェクター駆動性能の評価を行った.気流検定試験の結果,広い範囲のレイノルズ数,マッハ数の気流を駆動することができる上,広範囲に一様流であることが分かった.火星大気の主成分である炭酸ガスによる風洞駆動が可能となったことで,相似則を用いた火星大気飛行中の気流状態,さらには様々な飛行条件の模擬が可能となった.また低圧環境下でのエジェクターの駆動性能を評価するため,まず一次元解析から評価パラメータを算出した.さらに評価パラメータで圧力比を整理した結果,理論値と実験値がよく一致することを確かめ,評価パラメータの有効性を確かめた.これにより風洞駆動の高効率化及び通風時間の拡大に向けたエジェクターの最適化設計の指針が得られた. 翼性能を評価する上で,模型表面の圧力分布計測および抗力・揚力などの力計測のデータが重要となる.これらの計測に対して火星環境下で使用可能な感圧塗料と二分力天秤を開発した.選定した感圧塗料はチャンバー試験により火星環境下でも十分な感度を有することを示した.また感圧塗料を塗布した平板翼を用いた風洞試験の結果,感圧塗料により模型表面の流れの剥離現象を鮮明に捉えることができ,詳細な圧力分布を計測することができた.さらに低圧環境下で模型に働く微小な力を高精度に計測できる二分力天秤を設計・製作した.較正試験の結果,力計測に十分な線形性を確認できた. 火星飛行機への搭載を目的としたプラズマ・アクチュエーター(PA)の初期風洞試験を行った.これまで得られたPAの基礎特性をもとに,本年度は火星大気風洞を用いて,剥離した流れに対するPAの作動特性を評価するための初期風洞試験を行った.平板に取り付けたフラップの角度と流れの剥離の相関を評価し,今後のPA駆動による風洞試験に向けた基礎特性を調査した.
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Research Products
(6 results)