2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J56141
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
細海 俊介 Chiba University, 大学院・融合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光電子分光 / 有機半導体 / perfluoropentacene / 再配向エネルギー |
Research Abstract |
スペクトル微細構造を議論するために、以下の二つの方針で装置改良を行った。特に詳細な光電子放出角度依存データはダイナミックな情報を議論する上で不可欠であるが、既存の装置では不十分であるため改良を要した。我々の目指す角度分解測定は通常の利用(電子エネルギーと波数関係:バンド分散測定)とは視点が異なり、強度・形状の議論が要となる。そのため具体的には静電半球型エネルギー分析器をグレードアップし、高エネルギー分解能・高角度分解能を確保した。現在はグレードアップした静電半球型エネルギー分析器によって、金属単結晶基板上のPFP(perfluoropentacene)やF4TCNQ(tetrafluorotetracyanoquinodimethane)の膜厚依存性測定を行っている。また、同装置はRubrene分子の結晶薄膜についてエネルギーバンド分散の観測に成功した。PFPはデバイスにおいて良好なFET移動度が報告されており、F4TCNQは電子受容性が極めて高いドーパントとして報告があるためその電子物性に興味が持たれる。一方で、高分解能の気相データは固相効果を議論する上で不可欠な参照データとなる。そこで、現在は気相UPS装置を構築中である。これらにより、高分解能UPSにより振動構造分離測定を実施する。得られたスペクトルのフランクコンドン解析および気相スペクトルの比較により再配向エネルギーを求めることが可能となる。
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Research Products
(1 results)