2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子テレポーテーションの応用による連続量量子情報処理の実験的研究
Project/Area Number |
08J56171
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉川 純一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 量子光学 / 量子情報 / エンタングルメント |
Research Abstract |
量子テレポーテーションを応用した量子情報処理では、補助入力および測定基底の自由度を上手く使って量子状態を操作します。その中でもクラスター計算と呼ばれるものでは、測定基底の自由度のみを使って量子情報処理を行います。このクラスター計算のアプローチでは、行う操作に応じて異なるゲートを準備する必要が有るという従来の量子情報処理の困難の一つが解消されます。今年度に行った測定ベースの二乗位相ゲートの実験は、連続量クラスター計算(N.C.Menicucci et al.Phys.Rev.Lett.97,110501(2006))の1ステップとしても使われる、最も基本的な測定ベース量子情報処理のデモンストレーションになっています。入力と補助入力は量子非破壊ゲートを通してエンタングルし、エンタングルの片割れに行うホモダイン測定の位相を変化させることによって、出力状態に行われる操作を変更します。実験では、このゲートの非古典性の証明として出力状態のスクイージングまで観測できているので、来年度の初めにこの実験に関する論文投稿を予定しています。 また、二乗位相ゲートの前段階の実験である、量子非破壊ゲートの論文を投稿して、Physical Review Lettersにアクセプトされました。こちらはFilipらによる理論的提案(R.Filip et al.Phys.Rev.A71,042308(2005))を実験的にデモンストレートしたものです。このゲートも広義の量子テレポーテーションを量子情報処理に用いた面白い例の一つです。連続量の量子隋報処理における加減算に当たる、2モードのゲートになっています。
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Research Products
(10 results)