2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J56201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 喬 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ボルト締結体 / 接触問題 / 解析的モデル / 摩擦 / すべり / 荷重変位関係 |
Research Abstract |
軸直角方向外力を受けるボルト締結体において、締結体剛性を示す外力と並進変位の関係(荷重変位関係)は、回転ゆるみの発生と密接な関係があるため、締結体の重要な特性である。本研究では、これまでの研究においてFEMで得られた接触面挙動に基づいて、ボルト締結体の挙動を定式化し、荷重変位関係を導出する解析的モデルを構築した。まず、ボルト締結体のFEMによって得られた可動板の並進変位の要因分析を行った結果、変位は5つの要因に分類できることが分かった。3つはボルトの曲げ、2つは接触面のすべりに起因するものである。ボルトの曲げに関しては過去に提案された理論を踏襲し、本研究では接触面(ねじ面、座面)のすべり変位をモデル化した。接触面を周方向に分割し、まず締結力と外力の作用により各位置に発生する接触力を計算した。その後、接触状態(すべり、固着)に応じて、接触力分布、あるいは外力からすべり変位を計算した。また、並進変位の各要因に影響する、接触面に発生するモーメントについて、接触面における接触状態に依存して外力との関係が変化することがFEMにより示された。そのメカニズムについても本研究で明らかにし、モーメントと外力の関係を定式化した。提案した解析モデルをM16のボルト締結体に適用した。その結果、荷重変位関係の勾配に関してFEMと良く一致することを確認した。FEMでは荷重ステップが粗いと勾配の変化点が不明確になるが、本解析モデルでは完全ねじ面すべりに達する外力を探索するため、勾配の変化点が明確に得られることを示した。また、荷重変位関係への締結力の影響を検討し、FEM、解析モデルともに締結力による勾配の変化は見られないことを確認した。
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Research Products
(1 results)