2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J56201
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 喬 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ボルト締結体 / 接触問題 / 解析的モデル / 摩擦 / すべり |
Research Abstract |
ねじ締結部のゆるみの発生が懸念される荷重モードは軸直角方向外力と軸回り外力である。これまでの研究において、軸直角方向外力によるゆるみに対して三次元有限要素解析によるゆるみ機構の解明、およびその知見に基づいた解析的モデルの構築を行った。一方、軸回り外力によるゆるみに対しては,ゆるみが発生・進行するための条件が示されているものの、接触状態を考慮してゆるみ量を定量的に評価するには至っていない。そこで、本年度は軸回り外力を受けるボルト締結体を対象として、FEMと実験によるゆるみ機構の解明を行うとともに、解析的モデルにより締結体挙動が再現されることを確認した。まず、三次元FEMによりゆるみのメカニズムを検討し、可動板の回転角が限界ねじれ角θcrに達し,ねじ面が完全すべりに達するとゆるみが発生することを確認した.また,ねじ面のゆるめトルクTsl,締まりトルクTst,座面のすべりトルクTwの関係について,Tsl<Tw<Tstが成り立つ場合にゆるみが進行することを確認した.この関係が成り立つ場合には,ゆるめ過程ではねじ面がゆるみ方向に回転して締結力が減少し、締まり過程では座面のみが完全すべりに達するため締結力は変化しない.上の関係が成り立たない場合には,ねじ面,あるいは座面が完全すべりに達してもゆるみは進行しないことを確認した.また、油圧試験機を用いて、様々な潤滑条件を設定して軸力負荷下でねじりトルクを作用させる実験を行い、上記の内容を確認した。最後に、ボルト締結体挙動の解析的モデルを軸回り外力を受ける場合に適用し、ゆるみ挙動を再現できることを確認した。ゆるみが懸念される2つの荷重モードによる挙動をモデル化したことにより、両者が複合する一般的な荷重に対する締結体挙動の評価が可能となる。
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Research Products
(3 results)