2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J56241
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 傑 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / アシアロ糖蛋白質受容体 / レクチン / 糖鎖 / 接着分子 / 胃癌 / リガンド精製 |
Research Abstract |
<序論及び目的>癌の転移は臓器特異的であり、大腸癌患者さんの予後は肝転移で決まる為、臓器特異的転移が起こる原因を解明することが必要である.この転移特異性を規定する因子の一つとして、癌細胞の糖鎖と、臓器細胞に特異的に発現するアシアロ糖蛋白質受容体(ASGPR1)の相互作用に着目した. <結果>(1)有力なASGPR1阻害剤の決定:大腸癌肝転移に対するASGPR1の寄与を評価するには阻害剤が必要である.これまで有力な阻害剤がなかったが、当研究室で作製したウサギ抗マウスASGPR1ポリクローナル抗体及びアシアロフェチュインが、ASGRP1糖鎖結合の阻害をすることを今回初めて示しex vivo実験でも利用できることを示した.(2)In vivo Imaging蛍光細胞の確立:長期蛍光持続細胞を樹立した.これによりマウス生体内で長期的な転移過程観察が行われるようになった.(3)機能的リガンドの精製が完了:大腸癌細胞表面に発現するASGPR1に対する機能的リガンドを同定することが、ASGPR1の癌細胞に与える影響を調べる上で必須である.その第一段階として、癌細胞表面のリガンド精製を行い、候補となりうる幾つかの蛋白質をSDS-PAGE及び銀染色で検出した.現在MALDI-TOF型質量分析装置で蛋白質の解析を行っている. <結果の重要性>臓器特異的動物性レクチンが癌細胞の増殖を促進する結果を示したのは申請者が初めてであり、この増殖亢進作用を示すASGPR1の阻害剤を確立したことは、肝転移におけるASGPR1の寄与度を評価する上で非常に重要な結果であると考える.また転移過程を評価する実験系も着実に準備できており、転移過程のどの時点にASGPR1が関与しているかを示すために必要である.更に機能的リガンド同定が最終的な分子メカニズム解明に役立つ為、以上の結果は非常に重要である.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Human colon carcinoma cell growth is enhanced by immobilized hepatic asialoglycoprotein receptor 12008
Author(s)
Fang JB, Izawa R, Gomez-Santos L, Ueno S, Sawaguchi T, Usami K, Nodera Y, Takeuchi H, Ohashi Y, Higashi N, *Irimura T
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Journal Title
Peer Reviewed
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