2010 Fiscal Year Annual Research Report
低酸素下におけるサイトカイン産生変動機序-メチル化の関与
Project/Area Number |
08J56251
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
青井 陽子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 低酸素 / MCP-1 / DNAメチル化 / ヒストンメチル化 |
Research Abstract |
昨年度までに我々は、IL-1β刺激によりMCP-1エンハンサー領域におけるDNAメチル化が減少し、IL-1β/低酸素の共処置によりMCP-1プロモーターにおけるDNAメチル化および抑制型ヒストンメチル化H3K9me2が増加することを明らかにした。その中でDNAメチル化阻害剤5-aza-dCを用いてIL-1β/低酸素の共処置下におけるMCP-1発現抑制機序へのDNAメチル化の関与を示したが、低酸素の単独刺激によるMCP-1発現抑制は5-aza-dC処置により消失しなかった。そこで、IL-1β刺激の有無により低酸素下MCP-1発現抑制機序の違いがあるかを明らかにするため、無刺激下および低酸素単独刺激下におけるヒストンメチル化の経時的変化をChIP法にて検討した。結果、活性型H3K4me3レベルおよび抑制型H3Kme2レベルの両者とも低酸素単独刺激の影響を受けなかったことより、ヒストン脱アセチル化などの他の機序の関与が考えられる。また、以前BSP法を用いて得たMCP-1プロモーターにおけるDNAメチル化の結果を再確認するため、5-Methyl Cytosine抗体を用いてChIP法を行ったところ同様の結果を得ることができ、MCP-1プロモーター内のDNAメチル化増加をさらに裏付ける結果となった。一方、低酸素下におけるMCP-1プロモーター内のDNAメチル化増加が遺伝子特異的な反応であるか確認する目的で、今年度はグローバルなDNAメチル化レベルを免疫染色法、DNAメチル化酵素・脱メチル化酵素活性を比色法を用いて検討した。今回用いたHeLa細胞においてはIL-1β刺激及び低酸素刺激の有無に関わらず、グローバルな5-Methyl Cytosine発現、DNAメチル化酵素・脱メチル化酵素活性に違いは認められなかった。つまり本研究で用いた条件下では、低酸素下におけるDNAメチル化の増加現象は遺伝子特異的な反応であると考えられる。
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Research Products
(1 results)