2008 Fiscal Year Annual Research Report
MOAの銀河中心方向大規模サーベイ観測における包括的系外惑星探索の研究
Project/Area Number |
08J56341
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福井 暁彦 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 太陽系外惑星 / トランジット |
Research Abstract |
私は太陽系外惑星の中でも特に研究価値の高いトランジット(食)惑星を検出するため、これまでにMOA(Microlensing Observations in Astrophysics)の口径61cm望遠鏡を用いて2000-2005に観測された銀河中心方向の広視野サーベイデータを解析し、約60個のトランジット惑星候補天体を検出してきた。しかしこれらの天体が連星系ではなく惑星系であるかどうかは、高精度な分光観測で主星の視線速度を測定し、伴星の質量を求めないと判断出来ない。これには口径4-10mクラスの大型望遠鏡を用いた長期間の観測が必要なため、この観測に先立ち候補天体をより絞り込む必要がある。そこで、私は候補天体の中から惑星検出の可能性の高まる、より明るくより減光率の小さな12天体を選択し、次の2つの追観測を行った。 1つ目は、ハワイの口径8.2mすばる望遠鏡を用いた高分散分光観測である。これは本来1本の吸収線が2本以上にスプリットする「分光連星」を排除する目的で行った。2008年7月に観測し、解析の結果、12天体中10天体が分光連星であることが判明した。さらに残りの2天体のうち1天体は、充分な深さの吸収線の無い高速自転星であり、高精度な視線速度観測が難しいため候補から除外した。 2つ目に、南アフリカの口径1.4m近赤外IRSF望遠鏡を用いてJHKsバンドの測光観測を行った。これは、連星の場合に見られる2次食(伴星が主星に遮蔽される際の減光)の有無を調べるために行った。観測は2008年7-8月にかけて行い、解析の結果候補に残った1天体に、この2次食が見られる事が判明した。 今回の結果は残念な結果であるが、本研究と同様のトランジット探索を行ったOGLEグループも追観測の結果9割以上が連星系であったと報告しており(Konacki et al.2003)、それと矛盾しない結果どなった。
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Research Products
(2 results)