2009 Fiscal Year Annual Research Report
MOAの銀河中心方向大規模サーベイ観測における包括的系外惑星探索の研究
Project/Area Number |
08J56341
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
福井 暁彦 Nagoya University, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 系外惑星 / 重力マイクロレンズ / トランジット / TTV |
Research Abstract |
私は重力マイクロレンズ法による系外惑星の探索のため、合計約2ヶ月間ニュージーランドのマウントジョン天文台に滞在し、口径1.8m MOA-II望遠鏡による銀河中心方向の観測を行なった。惑星の影響による左右対称な光度曲線からの逸脱を早期に捉え、世界中にアラートを発信して追観測を促すことで、複数の惑星候補イベントの発見に貢献した。 また、私はMOA-IIの探索領域内に存在するトランジット惑星OGLE-TR-10bについて、MOA-II望遠鏡及び口径0.6m B&C望遠鏡を用いて高頻度観測し、過去の探索データも含めてトランジット周期の変動(Transit Timing Variation, TTV)を測定した。TTVを捉えることで、その摂動源となる第二の惑星の検出が可能である。この方法での惑星検出はまだ前例がなく、見つかれば新たな惑星検出手法の確立となり重要である。合計14回のトランジットの中心時刻を測定し、先行研究のデータと合わせて周期に変動がないか調べたところ、先行研究の1点が優位にずれていることが分かった。今後継続して観測を行い、惑星シグナルかどうかを確認する必要がある。 さらに、B&C望遠鏡を用いてWASP-4b、WASP-5bのトランジット惑星のTTV観測を行った。それぞれ計14回及び5回のトランジットを観測し、それらの中心時刻を求めた結果、WASP-4bで2.2シグマ、WASP-5bで4.6シグマの優位性で一定周期からずれていることが分かった。これらは第二の惑星の存在を示唆するものであるが、データ点が少ないため一意にその質量や軌道は決まらない。そこで、同一面上を円軌道でまわる第二の惑星を仮定し、3体シミュレーションからその質量と周期に制限を与えた。その結果、WASP-4bと1:2の共鳴軌道をまわる地球質量以上の惑星及びWASP-5bと1:2の共鳴軌道をまわる2倍地球質量以上の惑星の存在を排除した。
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Research Products
(10 results)