2008 Fiscal Year Annual Research Report
mDIa-Liprinα情報伝達機構の解析によるRhoの細胞内機能発現機構の解明
Project/Area Number |
08J56361
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂本 智子 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | mDia / actin / Liprin-α / 細胞運動 |
Research Abstract |
これまでの研究により、Rho-mDial経路が、極性形成(微小管の安定化、移動細胞前縁でのRac・Cdc42の活性化およびAPCの集積)と細胞接着斑のturn-overの制御により「方向性を持った細胞運動」に、また、v-Srcによる形質転換、mDialによるv-Srcの細胞辺縁への輸送により「癌細胞の悪性化」に関与していることが分かっている。しかしながら、これらの知見は、様々な細胞現象へのRhoおよびmDiaなどエフェクター分子の関与を示唆するものではあったが、それらがいつ、どこで、どのように制御されるために引き起こされているのかという疑問には答えていなかった。そこで、我々は新規mDia結合蛋白質の探索を行った。 ドメインとしての機能が不明であるmDialのN末領域をbaitに用いて、マウス脳ライゼートを対象にpull-downアッセイを行ったところ、新規mDia結合蛋白質Liprin-α3の同定、単離に成功した。 Liprin-α3の様々な部分欠失変異体を作製し、免疫沈降法を用いることで、mDialへのLiprin-α3の最小結合領域を決定し、Liprin-α3はすべてのmDiaアイソフォームと結合することを明らかにした。リコンビナント蛋白質を用いたpull-downアッセイおよびゲル濾過法により、それらが直接結合であることも見出した。さらに、FreeStyle293F細胞およびマウス脳における内在性のmDialとLiprin-α1,3の結合も確認した。 また、培養細胞では、Liprin-αとmDialが、微小管上に点在すること、Liprin-αの枯渇により、アクチン線維の形成および接着斑の増大が促進され、Liprin-αのN末の強制発現によりアクチン線維の形成および接着斑の形成が抑制されることから、Liprin-αがアクチン線維形成を抑制する機能を有することを見出した。
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