2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形シュレディンガー方程式の対称性と定在波解の安定性について
Project/Area Number |
08J56371
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 昌也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ハミルトン方程式 / 非線形分散型方程式 / 定在波解 / 軌道安定性 |
Research Abstract |
本年度は非線形分散型偏微分方程式を含む一般のハミルトン方程式の定在波解の軌道安定性についての研究を行った。ハミルトン方程式の定在波解の軌道安定性はGrillakis-Shatah-Straussにより研究された。彼らは定在波解の近傍の作用汎関数の形状を作用汎関数をTaylor展開することにより調べた。作用汎関数はハミルトン方程式の保存量であるのでこれを使うことにより安定性を解析することができる。私は定在波解の近傍に曲がった座標を導入することによりTaylor展開を行わず作用汎関数の形状を調べる方法を発見した。これによりGrillakis-Shatah-Straussの定理では示すことのできなかった臨界周波数(安定な周波数と不安定な周波数の境界の周波数)を含む退化した場合での定在波解の安定性不安定性の判定条件を得ることができた。また私の定理の応用としてべき乗方の非線形Klein-Gordon方程式の基底状態解の臨界周波数での不安定性を示すことができる。臨界周波数の不安定性は2次元以上の場合、Ohta-Todorovaによって、1次元でべきが2以上の場合はComech-Pelinovskyの定理の応用により示すことができるが、1次元でべきが2より小さい場合は未解決であった。本研究により非線形分散型偏微分方程式の基底状態解の軌道安定性の"ほぼ"必要十分である判定条件が得られ基底状態解の安定性についての理解が深まった。
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