2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J56381
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
棚橋 典大 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ブレーンワールド / 重力 / ブラックホール / 数値相対論 |
Research Abstract |
RS-IIモデルにおいて静的ブラックホール解が未発見であるという問題に対して、「RS-IIモデルにおいて、余剰次元の特徴的スケールよりも大きなブラックホール解は存在しない」という仮説が立てられた。この仮説の検証のために、最終的にはこのモデルにおける動的ブラックホールの数値シミュレーションを行う予定なのだが、今期はその準備として、RS-IIモデルにおけるブラックホール解の初期データ構成を行った。初期データ構成の性質について解析を行うことで、上記仮説が成立していることの状況証拠を得られた。また、RS-IIモデルを拡張して得られるKarch-Randallブレーンワールドモデルについても同様の解析を行い、4次元ブラックホールのHawking-Page相転移現象が、5次元時空におけるブラックホール形状に関する幾何学的な相転移と自然に対応するという興味深い結果が得られた。この研究結果については論文として年度内に発表することが出来た。 これと並行して、RSブレーンワールドモデルにおける動的ブラックホールの数値シミュレーションのためのスキームの構成へ向けた研究も行った。現在までに、基本的な定式化と境界条件の構成がほぼ完了している。来期以降は、この研究で定式化した発展方程式系を用いて、動的時空のシミュレーションへ向けたより具体的な研究を行っていく予定である。
|