2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリオトロンJにおけるプラズマ粒子輸送特性の解明とその制御に関する研究
Project/Area Number |
08J56411
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
向井 清史 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | プラズマ / ヘリオトロンJ / マイクロ波反射計 / 電子密度分布 / 粒子輸送 / 輸送障壁 |
Research Abstract |
1.本研究の目的は、ヘリオトロンJにおけるプラズマ粒子輸送の特性を解明し、制御法への展開を行うことであった。本年度は、マイクロ波反射計をヘリオトロンJに導入し、プラズマ電子密度分布計測を行うことを目標として研究を進めた。 2.その結果、プラズマに入射するマイクロ波の周波数を固定した状態の計測では、他の計測装置から得られた電子密度の線平均値に対応したプラズマカットオフ(マイクロ波反射)層の位置の変化と考えられる位相信号を検出することができた。これは、設計した反射計の視線においてプラズマから反射されたマイクロ波が検出できたことを示すものであり、電子密度分布計測へと繋がる重要な成果である。 3.電子密度分布計測を行うには、位相信号出力の搬送周波数特性の改善および検出信号のS/N比の向上が必要であることが明らかになった。搬送周波数特性については、システム内のアンプ特性が原因と判明したため、次年度からは特性の良いアンプを導入する。S/N比が悪い原因としては、まず、プラズマ加熱用の高パワーのマイクロ波の影響により変調器が故障し、変調信号が非常に小さい状態で計測を行っていたことが考えられる。これについては、変調器を修理するとともに、加熱用マイクロ波の周波数を選択的に減衰させるフィルタを導入することで、次年度より対応可能である。また、本年度はマイクロ波入射・検出用アンテナを真空容器の外側に設置したことにより、フランジ周辺からの寄生的反射の寄与が大きかったことも原因として考えられるため、次年度からはアンテナを真空容器の内側に設置する。 4.次年度には、今年度に判明した以上の問題点を解決することでヘリオトロンJプラズマの電子密度分布計測を行い、密度分布の磁場配位依存性ならびに輸送障壁の存在の解明・評価を行うことを計画している。
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Research Products
(4 results)